揺らぎが佇む
2023
絹本着色、額装
318×410o

佇む幹に反して、枝は揺れて葉音が鳴る。
ただそこに在るだけ。揺れに身を任せるだけで、全てがおさまる。
ここが落ち着く、ここに落ち着く。



碇 栞奈 個展
IKARI Kanna solo exhibition

あわいがふれる
Boundaries blur


2025年9月16日(火)から21日(日) 
12:00から18:00

KUNST ARZT では、初個展となる碇栞奈の個展を開催します。
碇栞奈は、現世と常世の融合をテーマに
現代幽霊画を制作する日本画アーティストです。
ドーザ液などの現象そのものを含めた日本画材の研究、
繊細で巧みな描写力を通して、
まさに幽霊の存在と非存在のあわいを表現しています。
(KUNST ARZT 岡本光博)



アーティスト・ステートメント

現世と常世の融合をテーマに幽霊画を制作している。
絹やアクリル板などの反射・透過系素材、
白色顔料を用いて不安定な存在を描く。
現在、寒天引きによって発生する虹色の輝きなどの
現象と描写を組み合わせた幽霊表現を研究・制作している。
現象による表現は視覚として認識できるようなできないような
曖昧なものであり、場合によっては本来使用している素材とは
別素材であると勘違いさせるような「わからない」面白さがある。
寒天液やドーサ液といった皮膜が形成される液体を
塗布することによって生まれる虹色の輝きは、
見る角度によって現れたり消えたりする特性を持つ。
これはまさに幽霊の「そこにいるようでいない、いないようで
そこにいる」という曖昧な存在感を視覚的に表現するものである。
死者と生者、現世と常世は完全に分けられるものではなく、
常に隣り合い、触れ合うものであると考えて、表現を模索している。


press release




うらみの蠕動
2025
絹本着色、透かし表現|サイズ可変

私は幽霊のような人間だ。
離れた者に対してどこまでも執着を募らせ、
忘れることなく心に繋ぎ止めようと足掻く。
その代償は必ず回ってくるだろう。
誘蛾灯のような、あの人たちと同じ終わり方はできない。
還ることも出来ない
それでも、これが私の在り方かもしれない。




揺らぎが朧ぐ
2023
絹本着色、軸装
490×490o

『化物の正体見たり枯尾花』 横井也有
朧げなままにしておこうか。
幽霊なのか、違うのか。
この揺らぎが離れるまで。




揺らぎが朧ぐ
2023
絹本着色、軸装
490×490o

『化物の正体見たり枯尾花』 横井也有
朧げなままにしておこうか。
幽霊なのか、違うのか。
この揺らぎが離れるまで。



経歴 
2000 静岡県生まれ
2025 京都芸術大学大学院博士課程在籍

2024 第49期佐藤国際文化育英財団 奨学生
2024 第9回トリエンナーレ豊橋『星野眞吾賞展』 入選
2025 第9期公益財団法人クマ財団
クリエイター奨学金 奨学生

主な展覧会

2023 13th上賀茂神社アートプロジェクト
2023 第52回装研会(京都府立文化芸術会館/京都)
2024 『いちめんのなのはな』(京都芸術大学/京都)
2024 春の賛歌展 Vol.10 出展作品(東京九段耀画廊/東京)
2024 14th上賀茂神社アートプロジェクト
2024 第53回装研会(京都府立文化芸術会館/京都)
2024 Art for Gift2024(梅軒画廊/京都)
2025 『よるべを紡ぐ』(アートスペース余花庵/京都)
2025 アートOHARA国際展(AIR大原/京都)



すがる
2024
絹、アクリル板、胡粉、墨、岩絵具、パール顔料、アルミ箔、透かし表現
1510×785o

誰かの中の私
私の中の私
どちらも私に似ているのならば
これほど喜ばしいことはない