山下 茜里 個展
YAMASHITA Akari solo exhibition

-UNSTOPPABLE-

2025年6月6日(金)から15日(日)
12:00から18:00 月曜日休み


KUNST ARZTでは、2年振り、4度目となる
山下茜里の個展を開催します。
山下茜里は、蝋染技法を駆使し、眼球や皮膚を
剥がされたような「人」のモチーフを通して、
ヒトの本質を考察するアーティストです。
本展では、時間をテーマに「過去」「現在」「未来」
についての3種類の新シリーズで構成予定です。
(KUNST ARZT 岡本光博)



展覧会コンセプト 

止めることはできないーー
猛スピードで迫り来る未来は、
一瞬の今を通り過ぎてすぐさま過去となる。
過去の溜まり場には膨大な記憶が集まりつづけ、
ときにはそれが思い出にもなる。

すべては、どうあがいても一方通行の時のなか。
我々はそこに存在したという
痕跡を残しながら流れつづける。
一度蒸発した水が、元の器に戻らないように、
熱を宿したすべての存在は、
生まれた瞬間から徐々にその秩序を失って、
やがては目に見えぬほどに散り散りとなる。

止めることはできないーー
なら、この逆らえない流れの受け入れ方を
私は知りたい。




PRESS RELEASE



YAMASHITA Akari (b.1997, Osaka pref, lives and works in Hyogo)
is an artist who pursues the essence of human beings
through the image of skinless people.
They are created by using dyeing techniques
and spending an enormous amount of time to carefully finish them.
She earned her master's degree in a textile course
at Kyoto Seika University.




Long for the Light
2024
全長約950cm
綿布・反応染料・わた・角材・針金
画像提供:川崎市岡本太郎美術館




Dancing People
2023
綿布・反応染料・わた・針金
コンセプト:つながり続けるへその緒に踊らされている。
互いに巻き込まれ、絡み合いながら、彼らは今日も踊っている。
photo by 作山朋之




個展 「ULTRA PLINIAN」(2023)展示風景



アーティスト・ステートメント

身体の先まで張り巡らされている無数の管
血液を通して様々なものが行き交うこの身体は、
常に熱を帯びている。
真っ白な布の上に熱い蝋が走り、幾層にも重なり、
やがて思い描く形に見えてくるその様は、
およそ40週間の時間をかけ、何もなかった母体から
みるみるうちに形作られていく人間のようだ。
私は、重ねた熱の痕跡で「人」を作っている。
「人」を作るのに適した方法がこれだと思っている。
自分、そしてこれまでに出会った人々、
その誰しもが「ヒト」という単一の生き物だ。
その明白な事実と、自分が「人間」であることへの執着、
生き物としての「ヒト」への強い興味から、
「人間」を表現し続けている。
かつて遭遇した、ヒト特有の「ことば」や「ふるまい」「おもい」を
基に作品を制作している。そして、それを誰かに見られている
光景をわたしが見つめ、そうした行為の流れの中に
わたしの作品は存在している。
また「目」はわたしが「人間」を表現する上で不可欠な要素だ。
人の目は、他の生物にはない独特な眼差しと、
その内にある個人性を強く覗かせている。
それは「目」が人体で唯一むき出しにされた
透明の臓器だからかもしれない。
自身の内と外を通ずる唯一の窓だからかもしれない。




個展 「NAKED」(2022)展示風景
by Office Mura Photo




unborn No.1
2021
1500×700×500mm
蝋染め/反応染料




beyond the skin No.1
2021
1900×1900mm
蝋染め/反応染料
*楽空間祇をん小西でのインスタレーション

隠すことを選ぶとき、そこには必ず理由がある
私達はだから、他人の隠したものを容易く捲ってはならない
隠されることは、人目に触れさせないこと
隠されているものたちは、私達の目から隔てられ、
たとえば一枚の布を超えたところにに存在している
けれども、そんなものたちは眼を開き、
僅かな陽の光を取り入れられる時を待ちわびているのかもしれない
だから私はあえて、隠しているものをほんの少し捲って見せたい




pan-option
2020
2500×2500×1500mm
蝋染め/反応染料
*ギャラリーマロニエでのインスタレーション

pan=全てを
opticon=見る
「誰一人にも、見られてはいないと思っていました」
こんなことはあり得ない
あなたが存在する限り、あなたは常に誰かを見て、
誰かに見られていることを
忘れてはならないと思っています。



アーティスト・ステートメント

自分、そしてこれまでに出会った人々、
その誰しもが「ヒト」という単一の生き物です。
その明白な事実と、自分が「人間」であることへの執着、
生き物としての「ヒト」への強い興味から、
「人間」を表現し続けています。

かつて遭遇した、ヒト特有の「ことば」や「ふるまい」をもとに、
わたしは作品を作ります。
そして、その作品が誰かに見られる光景をわたしが見つめる、
そうした流れの中にわたしの作品は存在します。

また、「目」はわたしが「人間」を表現する上で不可欠な要素です。
人の目は、他の生き物にない眼差しと、
その内にある個人性を強く覗かせます。
それは「目」が人体で唯一むき出しにされた
透明の臓器だからかもしれません。




個展 「BORDER」(2020)展示風景
by Office Mura Photo



経歴 

1997年 大阪に生まれる
2021年 京都精華大学芸術研究科博士前期課程修了

個展
2020年 BORDER (KUNST ARZT/京都)
2020年 PANOPTICON (gallery maroine/京都)
2021年 beyond the skin (楽空間祇をん小西/京都)
2022年 NAKED (KUNST ARZT/京都)
2023年 -ULTRA PLINIAN- (KUNST ARZT/京都)  
2023年 -ASSEMBLE- (Galeria Punto KOBE/兵庫)
2024年 Beyond the Skin (小山登美夫ギャラリー天王洲/東京) 
2024年 -Long for the Light- (楽空間祇をん小西/京都)
2024年 Human being Human (Thomas VanDyke Gallery/NY)

グループ展
2016年 Textile performance (京都精華大学/京都)
2017年 テキスタイルのすみっこ展 (gallery kara-s/京都)
2017年 いとから展 (gallery maronie/京都)
2018年 創造的トローイングー作家になるためにー
(gallery fleur/京都)
2018年 fermata (アートギャラリー北野/京都)
2018年 めいそう(堀川御池ギャラリー/京都)
2018年 京都精華大学展2018 オープンラボ
(京都精華大学/京都)
2018年 戦う女達7人衆 (gallery maronie/京都)
2018年 SEIKA-Jack (ギャラリーフロール/京都)
2019年 you can be the outcast
(アートギャラリー北野/京都)
2019年 京都精華大学卒業制作展2019
(京都精華大学/京都)
2019年 京都精華大学選抜展 (ギャラリーフロール/京都)
2019年 Textile X7 (gallery maronie/京都)
2019年 第22回染・清流展 (染・清流館/京都)
2019年 祈り-9stories- (gallery maronie/京都)
2020年 創造的ドローイング祭+インスタレーション
(京都精華大学/京都)
2020年 TEXTILE2020 (gallery maronie/京都)
2021年 創造的ドローイング展 (ギャラリーフロール/京都)
2021年 PICKS (サテライトスペースDemachi/京都)
2021年 京都精華大学修了制作展2021
(京都精華大学/京都)
2021年 New Lifestyle -マスク&エコバッグ-
(gallery maronie/京都)
2021年 SUIKEI ART FAIR OSAKA (Zentis Osaka/大阪
2021年 A-Lab Artist Gate 2021 
(あまらぶアートラボA-Lab/兵庫)
2021年 体内で満ちて (ART SPACE NUI/京都)
2021年 第23回染・清流展  (染・清流館/京都)
2021年 VIGOR (gallery maronie/京都)
2022年 創造的ドローイング展 (サテライトスペースdemachi/京都)
2022年 Kyoto Art for Tomorrow2022-京都府新鋭選抜展- 
(京都文化博物館/京都)
2022年 第二回京都の染色-世代をつなぐ女性作家たち- 
(ギャラリーヒルゲート/京都)
2022年 Art Show! V (芝田町画廊/大阪)
2022年 瀬戸内国際芸術祭2022(高見島/香川)
2022年 新進作家展(京都文化博物館/京都)
2023年 Kyoto Art for Tomorrow2023-京都府新鋭選抜展- 
(京都文化博物館/京都)
2023年 新鋭染色作家展「柳は緑 花は紅」(染・清流館/京都)
2023年 第24回染・清流展(染・清流館/京都)
2023年 RE START (picture gallery/Lithuania)
2023年 Chemical Reactions 8(space31/兵庫)
2023年 木津川アート2023(木津川市/京都)
2024年 Contemporary Textile Art MINIATURE WORKS
-THE KYOTO- vol.3(Gallery NEUTRAL/京都)
2024年 ファイバーアート、サイコー
(京都芸術大学ギャルリオーブ/京都)
2024年 ギャラリズム(ピアスギャラリー/大阪)
2024年 初田美術研究所OB展(自在空間ArtStep/兵庫)
2025年 第28回岡本太郎現代芸術賞
(川崎市岡本太郎美術館/神奈川)
2025年 第28回岡本太郎現代芸術賞 入選

受賞歴
2017年 第55回兵庫県展 部門大賞(知事賞) 工芸部門
2018年 第14回世界絵画大賞 入選
2021年 第2回丹波アートコンヘ゜ティション 大賞





bullet-弾眼-
2021
2000×9500mm
蝋染め/反応染料

鏡は割れると何も映さなくなる。
あなたを映さない「目」を作るには、
その「目」を割ってしまえば良いと考えた。
銃弾が鏡を一瞬で破砕する様を思い出した。
あなたが銃弾のようにわたしの目を破砕した時、
わたしの目にはあなたは映らなくなる。















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