八田 郁子 個展
ちょうどいい存在感

HATTA Ikuko solo exhibition
This is just right

2019年11月19日(火)から24日(日)

KUNST ARZT では、4年ぶり3度目となる
八田郁子の個展を開催します。
八田郁子は、ひそかな仕掛けで
生活をアートに変換するアーティストです。
日常風景的な作品にはネタ的な「答え」があり、
鑑賞時よりも、むしろ日常に戻った時に、
じわじわと来る作品群です。
本展では、商品箱の片面を揃えた状態で
柱状に積み上げた「pillar」をメインに、
新作・過去作の小さい作品を集めた
小ネタ集的な展覧会の構想です。
ご注目頂ければ幸いです。
(KUNST ARZT 岡本光博)



展覧会ステートメント

いつも見ているものだけど、ちょっと違う。
その違いは置き方の違いなど、
誰にでも直すことのできる些細な違いである。
日常の風景に少しだけ手を加えることで、
知っているものだが違和感を感じる、
主張しすぎないが無視もできない、
そんなちょうどいい存在感を作り出したい。


PRESS RELEASE




pillar 

2019
商品箱




trace

2019
高校の授業で生徒が使用したカーボン紙、
ライトボックス
260×345 mm




300g、185g、250g

2019
キッチンスケール




loop

2016-19
素材:クッキングトイ、ミクストメディア




bookendless

2019
本、ストーブガード




個展 「ちょうどいい存在感」展示風景 2019




Loop (マッチバージョン)

クッキングトイ、他
2015





人権厚生部通信ひかり7月号」

紙にプリント、ペン
2014


以上、個展  「いつもの所で」 2015年より



アーティストステートメント

日常生活の中にある、非日常感に興味を惹かれます。
見慣れたものたちがふと別の顔を見せる時、
何の変哲も無い普段の生活も
この世界の一部であることを再認識させられ、
今までになかった視点で
日常生活を眺めることができるからです。
非日常感を作り出す装置としての作品を制作し、
発表していきたいと考えています。




wall

ダンボール
2014



bookstart,bookend

2014
あるルール設定で並べられた本、本立




surface パターンカウロック    

surface パターンビスコ    

surface パターンカネダイン  
ジェッソ、商品箱
2014



以上、個展 「between Art and Life」 2014年 より





escape


段ボール
2013

「逃げること」がテーマに制作。
「逃げる」と言うとマイナスに捉えられがちだが、
逃げるという行為には自由を求めるという意思があると思う。
情報に溢れる世の中から逃れ、自分の身を守ること。
逃げた先には何があるのか。「逃げること」を肯定的に捉え、考える。







所在 / Whereabouts


ミクストメディア
2013

一所に留まりたくない、でも居場所も欲しい。
そのような矛盾をわたしなりに表現すると、
見覚えのあるものになりました。



経歴

1991 大阪府大阪市生まれ
2014 成安造形大学芸術学部芸術学科
現代アートコース卒業

展覧会
2011 第六回湖族の郷アートプロジェクト(大津市堅田)
2012 グループ展「ゆとり主義」(Gallery1963/Gallery Cube)
2013 日吉大社芸術祭(日吉大社)
2013 日韓交流展「add me!」(海岸通ギャラリーCASO)
2013 余呉まるごと里山芸術村2013(旧余呉小学校)
2013 主張てん(GALLERY ARTISLONG)
2014 日韓交流展「add me! carry more」
(KEPCO ART CENTER)
2014 八田郁子展「between Art and Life」(KUNST ARZT)

Hatta Ikuko
1991 Born in Osaka,Japan
2014 Seian University of Art and Design

Exhibition
2011 Kozokunoshato Art Project
2012 “Yutori Shugi” Gallery1963/Gallery Cube
2013 Hiyoshi Taisha Shrine Art Festival
2013 “add me!” Gallery CASO
2013 Yogo Marugoto Shatoyama Geijutsu Mura
2013 “Shucho Ten” GALLERY ARTISLONG
2014 “add me! carry more”
KEPCO ART CENTER
2014 “between Art and Life” KUNST ARZT






わたしとゆとりと逃げ道と / An escape and Yutori and I


教科書、ミクストメディア
2012

「ゆとり」という言葉にあまり良いイメージは抱かないだろう。
しかし、実際わたしたちは「ゆとり」に
守られているのではないだろうか。
わたしがした失敗でも、大人たちは「ゆとり」を責める。
わたしは無意識のうちに居心地の良い場所として
「ゆとり」を利用しているのだ。
そろそろ「ゆとり」という巣から巣立つ方法を考えよう。








妹尾夢子さんによるレビュー (2014 03)


ギャラリーの扉を開けてすぐ目に飛び込んできたのは
天井まで積み上げられた
大きさのまばらなダンボールと小さな通路が一つ。
奥の空間から見た時の
片面のみ揃えられたダンボールの壁は
まるで何かを拒絶しているようだ。
通路を抜けた空間にはいくつかの
小箱の集合体が白く塗装され、
傾いて展示された絵画の様な小作品が三点。
その他は[あるルール設定で並べられた本、本立]
と題された作品が一点。
2014年3月4日から9日までkunst arztで
開催された八田郁子個展。
八田は生活の中で無意識に招き入れている「もの」や、
何らかの目的の為の「動き」に
焦点を当てて制作しているそうだ。
「ゆとり」という言葉も多々見られた。
ゆとりとは、ゆとり教育を受けた世代を差しており、
社会では誤った教育方針の産物として
扱われる事もしばしばある。
八田もゆとり世代の1人であり、
作品にもそのニュアンスを感じる。
ものだけでなく出来事さえもひたすら大量に
消費されていく社会の中で、
空箱は無意識に招き入れられた「もの」であると言える。
それを積み上げる行為と作り上げられる空間は
消費社会の空虚さの蓄積と、
ゆとり世代と括られた若者の所在の無さからの
逃げ場の様に感じられた。
そんな隠喩と同時に、態勢を低くしなければ
抜けられない通路はまふで
大人の目を盗んで作られる子どもの
秘密基地の様でユーモラスがある。
さらに小作品は「情報」である本と
水平垂直を保って鑑賞する為に
首を傾げる行為「疑問」に繋がるなど、
社会への興味と欺瞞を示すのではないだろうか。
そんな未成熟な要素を保ちつつ
社会との関係性を顕在化する八田は
ゆとり世代の代弁者と言えるだろう。
八田の作品から私たちは今一度、
自身の所在のありかを
考え直してみるのもいいかもしれない。












trace
2019
高校の授業で生徒が使用したカーボン紙、
ライトボックス
260×345 mm
\ 30,000 each
棚は付属しません。

trace
2019
高校の授業で生徒が使用したカーボン紙、
ライトボックス
260×345 mm
\ 30,000 each
棚は付属しません。

surface
パターンカウロック    
ジェッソ、商品箱
204×274×160 mm
2014
¥5.000

surface
パターンビスコ    
ジェッソ、商品箱
194×293×200 mm
2014
¥5.000

surface
パターンカネダイン  
ジェッソ、商品箱
170×288×124 mm
2014
¥5.000