岸本 倫子 個展
KISHIMOTO Rinko solo exhibition

inForm

2016年1月26日(火)から31日(日)
12:00から18:00
       


KUNST ARZT では、岸本倫子の初個展を開催します。
岸本倫子は、優れた情報処理能力と
ミニマルクールなデザインセンスを駆使して
コトの本質を抽出するアーティストです。
ロール紙で地球を表象する試みの「層1(2014)」、
波の静止画像を印刷した紙で波を再現する「層2(2014)」
といった自然の摂理を巧みな情報処理と視覚効果で
捉える作品の他、筆跡といったちょっとした営為から
「時間」を切り取り、積層したイメージから「ズレ」を紡ぎ出し、
イメージのゆらぎを浮かび上がらせる「層4(2015)」などの
日常的な切り口も彼女の魅力です。
ご注目ください。(KUNSTARZT 岡本光博)




layer6 RRcode ver.1.0

2016

図書館で出会う1冊の本には、
今まで読んできた「人」と「時間」が刻まれている。
読み継がれてきた時間は、本に貼り付けられた
DATE DUEの日付によって垣間見ることができる。
読み継がれるたびに開かれ、閉じられる。
読書の記録は、その本のある場所と人と時間のコードとして現れる。




layer5 line map ver.1.0

2016

地図の俯瞰した二次元情報の中から、
まっすぐ延びた道(線)を基準に印刷する。
異なる場所の道が積み重なり、断面に一本の道が繋がる。




layer4 grapho [の]  ver.1.1

2016

書は筆を持った腕を振り動かし、軌跡が墨色になって残る。
同じ文字を書いても違う形になり、重ねるとズレが現われる。
一つ一つのズレには、筆の走り具合や、文字を書いた時間見える。



経歴
1991 沖縄生まれ
2014 成安造形大学 メディアデザイン領域
グラフィックデザインコース 研究生 修了

2014 成安造形大学卒業制作展・進級制作展 [京都市美術館]
2014 what I’ve chosen | what I chose [ギャラリーキューブ]
2015 Overlap [MEDIA SHOP|gallery]
2015 what I’ve chosen | what I chose vol.4 [ギャラリーウィンドウ]




layer2

2014 紙

波が打ち寄せる場所を波打ち際という。
波が打ち寄せ、引いて幾重にも繰り返す
波打ち際の時間の情報を層で表現する。
波打ち際の映像を撮影し、1秒24コマで紙に印刷し、
積み上げた紙の小口を斜めにずらしていく。
すると、その断面には新たな波が現れる。
打ち寄せる波が重なり合い、波の動きと時間がつづいていく。
層にすることで新たな波の情報が垣間みれる。




layer3

2014 アクリル,紙

シュレッダーは、情報を屑にする。
屑になった情報が積もり、層になる。
空は、地上から見上げたときに頭上に広がる空間。
その色は時間帯によって変化し、
昼間は晴れていれば青く雲は白く、
曇りであれば灰色に、夜間は真っ黒に見える。
視覚的に捉えられる空の色の多彩さは
空気と太陽光線の関係から生じ、1日で様相を大きく変える。
頭上に広がる空の時間をシュレッドし、層にしていく。



アーティストステートメント

情報を概観しメディアを介して新しい表現方法の可能性を示す。
ミクストメディアによる実験作品を制作。
ものの現象あるいは本質を切り取り、カタチにする。




layer1

2014 レジロールペーパー スプレー 

地球の赤道は約4万km。
その長さを1/1,000,000scaleに縮小し、
40mのロール紙に大陸の部分を印刷する。
南・北緯のそれぞれ20°と40°も同様に印刷する。
ロール紙の側面の面積は緯度によって異なり、
地球が球体であることを認識できる。
そこには距離・時間が層になって現われる。
本初子午線から始まるロールを引き延ばしていくと
該当する緯度の時間が流れていく。