吉良 加奈子 個展
KIRA Kanako Solo Exhibition

旅する犬
Traveling dog

2019年2月26日(火)から3月3日(日)
12:00から18:00

KUNST ARZTでは吉良加奈子の個展を開催します。
日常生活の中での気づきや言葉遊びをきっかけに、
主にユーモラスなパフォーマンスを通して、
固定観念に揺さぶりをかけるアーティストです。
クリスマス当日に、トナカイがいないと思われる
鹿だらけの奈良でトナカイをさがす
「トナカイをさがして(2018)」などの
パフォーマンスを軸に、
独特のコンセプチュアルな作品を制作しています。
本展では、KUNST ARZT近くの雑貨屋で出会った
「給食トレーの裏に描かれた犬」をきっかけに
作品展開する構想です。
ご注目ください。(KUNST ARZT 岡本光博)




展覧会コンセプト

2017年12月9日(日)17時頃、
KUNSTARZT近くにある雑貨店
「古道具とレトロ雑貨と喫茶 eight」で犬と出会った。
犬といってもただの犬ではない、
古びた給食トレーの裏に描かれた犬だ。
なぜだかわからないけれど
わたしはその犬にとても惹かれてしまい、
すぐにそれをレジへ持って行った。

「これください」
「あれ?これ裏に落書きしてあるし、他のに変えようか?」
「いや、これがいいんです」

側から見ればただの落書きにしか見えないその犬は
、いつ、どこで、だれが描き、だれに使われ、
なぜ売られ、偶然にもわたしに買われたのか。
わたしはこの犬についてなにも知らない。
ただ、このままずっと他の給食トレーと一緒に
積まれたままの状態から脱出させてあげられたことは確かだ。
飼い主であるわたしは、この犬に
いろんな人と旅に出てもらい、日の目を見てほしいと思うのだ。

本個展では、映像・グッズ展開・SNSなどジャンルを横断しながら、
また、来場者を巻き込みながら、インスタレーションを発表する。
偶然出会ってしまった犬(のイラスト)を、
身につけられる形状にして誰かに買ってもらう。
また、買われた犬は身に纏われることで飼い主と旅をする。
第三者を巻き込んで、埋もれていた犬が世に知れ渡っていく。
もしかしたらその犬の正体を知っている人に出会えるかもしれないし、
出会えないかもしれない。

また、今回「犬を飼う」という行為の視野を広げてみる。
ぬいぐるみを肌身離さず持ち歩く人がいるように、
バーチャル世界に恋人を持つ人がいるように、
リアルな犬でも二次元の犬でも「飼う」ことはできるかもしれない。




本日、右回り。

2017
映像、パフォーマンス  19分21秒

二条城のお堀の周りを走るランナーや、
ウォーキングをする人々は、本日も左回り。
みんながみんな同じ方向を向いているなんて、
何かに操られているみたいで変だなと思った。
それならこちらから投げかけてみるのはどうだろう。
のぼり旗を掲げてみんなと違う方向に歩く。
本日、右回り。




アーティストステートメント

わたしは、ものの見方を変えてみたり、
言葉遊びをしながら新しい意味を見出したりして、
価値観にとらわれない作品制作を行っている。
それは時に、展示場所やその周辺のもの、
人、文化などを巻き込み、
関わり合いながらつくり上げられる。




選択を洗濯する

2017
インスタレーション Tシャツ、文字、映像

選択とは、複数のものの中から一つ以上を選ぶことを言う。
洗濯とは、衣類などを洗って汚れを落とし、きれいにすること。
また、わだかまりや苦労を捨てさっぱりすることを言う。
「あなたが選択したことを教えてください」という質問をとり、
その選択を洗濯するということをした。
選択したことが正しかったかどうかはわからない。
けれど、心の中に引っかかっているものたちを、
きれいさっぱり洗濯することができたなら、
この選択で良かったと思える日がきっと訪れると思うのだ。
もしかしたら、人生は選択と洗濯の繰り返しなのかもしれない。



経歴

1996 愛媛県宇和島市生まれ
現在、成安造形大学 現代アートコース在籍

個展
2017「選択を洗濯する」
(成安造形大学 E棟102展示室、イベント広場)

グループ展ほか
2016「Re:present」(成安造形大学ギャラリーキューブ)
2017「チャレンジ2回生」
(成安造形大学ギャラリーアートサイト・ギャラリーウインドウ)
2017「まばたきねん」(MEDIA SHOP|gallery/京都)
2017「On your marks はじめての個展」
(成安造形大学バスストップギャラリー)
2017 京都府アーティスト・イン・レジデンス事業
「京都:Re-Search in 京田辺」参加
2017「巴-ともえ-」(堀川御池ギャラリー/京都)
2018「シャイン シャイン シャイン」
(成安造形大学ギャラリーキューブ)



トナカイをさがして

2018
インスタレーション、パフォーマンス、映像(11分38秒)、
写真、コピー用紙、ドローイング、枝、そり、ラジカセ

2017年12月25日クリスマス当日、
トナカイがいないと思われる町でトナカイをさがす。場所は奈良。
鹿は探さなくてもそこら中にたくさんいるけれど、
トナカイは見たことがない。
もしかしたら鹿に混ざってほんとにいるのかもしれない。
そもそもトナカイと鹿の違いってなんだろう?トナカイって何者だ?
わからなくなってきたからこの目で確かめに行く。
ほんとうにトナカイと出会えた時にすぐに気づいてもらえるように
サンタクロースの格好をして、大きな袋からは、
人々が愛や想像を乗せて歌うクリスマスソングを流しながら。
(島袋道浩『鹿をさがして』(1997)を参考に制作した
TAT(タッチ・アーティスト・タッチ)作品。)