|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
岩田 綾 個展
思い出したくないことのひとつやふたつ
IWATA Aya solo exhibition
some unpleasant memory
2016年5月24日(火)から29日(日)
12:00から18:00
KUNST ARZT では、昨年に引き続き
岩田綾の個展を開催します。
岩田綾は、自らを知るための思考を重ねながら
写真に手を加えた表現を通して、儚いながらも
独特の美を生み出すアーティストです。
前回の個展「要らん。けど、要る」では、
アーティスト自身の物で溢れている部屋に 着目し、
物に対する強い執着心がどこから来ているのかを探る試みを行い、
沢田眉香子さんから「ものと交感する日本文化」を
感じると評していただきました(京都新聞展評)。
本展では、「思い出したくないと同時に、忘れたくない事」に向き合い、
その感覚を写真への加工とインスタレーションで表現します。
ご注目いただければ幸いです。(KUNST ARZT 岡本光博)
展覧会ステートメント
思い出したくない事のひとつやふたつは誰にでもあるもの。
何かのきっかけで思い出し、一瞬で嫌な感情が溢れて
自分が独占されてしまう。でも私にとってそれは、思い出
したくないと同時に、忘れたくない事でもある。
悪い事を「経験だ」と変換するのは難しいことで、嫌な思い
をすればそれは死ぬまで「嫌な事」のままだ。忘れるという
ことは、その時の感情すらも無かったことにしてしまい、つま
り、許すのと同じことだと思う。
誰かに対しても、自分自身に対しても、許す気も無いのに
無かった事にはしたくない。
だから、そのきっかけとなるものを捨てられないし、むしろ
作品にして残したいとさえ思っている。
もちろん、私にも楽しい思い出はたくさんあるのだけれど、こう
した悪い面を取り出したような、嫌な感情、それを忘れてなんて
あげないよという感覚は、私を形成するものの結構大きな部分を
占めているんじゃないかと思う。というか、それが日常。
|
|
|
|
|
|
|
|
思い出したくない事のひとつやふたつ
2016
特製立方体額、アクリル板、アルミ複合板にインクジェットプリント、ラミネート
小学校から中学生の間に使用したプロフ帳をシュレッダーにかけたものを並べ、
撮影したもの。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
思い出したくない事のひとつやふたつ
2016
アクリル板にインクジェットプリント、テキスト
|
|
|
|
|
|
おとなようのとまと
2015
デジタルインクジェットプリント、ラミネート、アクリル板
まだ幼い頃は、自分だけの狭い世界でトマトは
好きか嫌いかの対象だったのが、成長していく中で、
プチトマトは小さいから子供用、普通のトマトは
大きいから大人用というように、子供ながらに社会と関わり、
他者が存在する世界を認識するようになる。
今の自分は品種が違うだけだと理解し、
常識や普通を学んで大人になってきたけど、
それらに囚われて頭が固くなり、空気を読もうとしすぎている。
それが嫌で悪足掻きをした、もっと大きなトマトの作品。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
今回の個展についてのステートメント
私の部屋は物で溢れている。
要るものは要るもの、要るか要らないか分からないものは要るもの、
要らないものは再度吟味するもの。
要るものとして残ったものの中には、
他人から見ればゴミでしかないであろうものが沢山ある。
何故要るものなのか、自分でも分からない。
「要らん。けど、要る」では、こういった私自身の、
物に対する強い執着心がどこから来ているのかを探る作業をする。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
岩田綾の個展「要らん。けど、要る」展示風景
2015年6月2日(火)から7日(日)
|
|
|
|
|
|
|
|
アライザラシ
デジタルインクジェットプリント、発泡ボード、木製パネル、アルミ複合板
2014
「アライザラシ」は、子供の頃に使っていた「特別なタオル」の作品です。
それまで家族全員で共有していたタオルの中に一枚、
私専用のものが加わり、嬉しくてそればかり使っていた。
まだ小さかった私は、そうして自分だけのものが増えることで、
家族の中での自分の存在を個として
無意識に感じるようになっていったのではないかと思う。
そして、捨てられずにいる、この古びたタオルは、
未だ実家暮らしで、作品制作に夢中になっている私という現状で、
私を個として保ってくれる象徴なのかもしれない。
|
|
アーティストステートメント
私の作品は、自ら撮影した写真を素材にして、
手を動かしながら造形するものが多い。
手間の掛かる作業をすることで、
私は私に、自分自身について考える時間を与えている。
私は、何をどう感じながら毎日を過ごせばいいのかが分からない。
好きな事や嫌いな事が曖昧で、
笑顔を作ったり、怒ったりするタイミングが分からない。
感情の強弱が分からない。
何故、それらを意識するようになってしまったのだろう。
そもそも、私が抱く感情や考え方はどこからくるのだろう。
それらの疑問と向き合うために、
制作をしながら子供の頃の事をよく考えている。
どういう環境で育ち、そこで何を考え、
どう感じながら毎日を過ごしていたのか。
楽しかった事、嫌だった事は何か。
そうすると、突然腑に落ちることがある。
子供の頃に感じた事が、良くも悪くも、現在の私にちゃんと繋がっていて、
だから私はこうなんだと実感する。
そうして納得することで、現在の私を許すことができ、
記憶の中のざわざわとしたものが一つ、軽くなっていく。
こうして制作を続けていれば、自分を知ることができ、
もう少し無意識に生きられるのではないかと期待している。
|
|
|
|
|
|
|
|
昔のワタシの小さなハナシ
デジタルインクジェットプリント、ガラス、木枠
2013
幼稚園の頃から夏休みは毎年帰省していた。
おじいちゃんもおばあちゃんも亡くなり、帰省する必要が無くなった今、
日常の中で思い出す事がある。
あの家にあった座布団やコップ。
それらの詳細な絵柄は覚えていないけど、同じ色を見るとイメージが浮かぶ。
楽しい思い出ばかりではないけれど、小さなエピソードが沢山あった。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
one ポテトフライ in the pocket
デジタルインクジェットプリント、ミクストメディア
2010-2011
子供の頃から独占欲が強かった。お菓子を分け合うなんて嫌だった。
壁に囲まれた一人の空間、そこに好きなお菓子が
敷き詰められているという欲望の再現。
|
|
経歴
個展
2015年 「要らん。けど、要る」KUNST ARZT/京都
2014年 「アライザラシ」ギャラリーアーティスロング/京都
グループ展
2015年 「現代美術彫刻展2015」ギャラリーアーティスロング
2015年 「Square 30 Photography Exhibition」ギャラリーアーティスロング
2014年 「立体造形2014」ギャラリーアーティスロング
2013年 AMA展2013「SHASHIN Festa」近松記念館/兵庫
2013年 「立体造形2013」ギャラリーアーティスロング
2013年 「スカートの中」ギャラリーメゾンダール/大阪
2012年 「国際交流学生写真展」 宝塚大学ギャラリー ZUKA-RO/兵庫
2012年 「立体造形2012」ギャラリーアーティスロング
2012年 第2回東日本大震災チャリティ展「Cheer up !」ギャラリーアーティスロング
2012年 「LJUSPROJEKT W:HOUSE」内グループ展 (KULTURHUSET/スウェーデン
2012年 宝塚造形芸術大学写真コース OB展 ニコンサロンbis大阪
2011年 「50×50×50(フィフティ・キューブド)」ギルドギャラリー_テンポラリー/大阪
2011年 「Shashin:A One」ギルドギャラリー_テンポラリー/大阪
2011年 第1回東日本大震災チャリティ展「Cheer up !」ギャラリーアーティスロング
2010年 「30 Art Exhibition」海岸通りギャラリーCASO/大阪
2010年 「Petit a petit I’oiseau fait sou nid」沖縄県芸大附属芸術資料館展示室
2009年 「主張てん」(ギャラリーアーティスロング/京都)
2009年 「West meets the West」(ギャラリーアーティスロング/京都)
2009年 日韓学生卒業制作交流展(ギャラリーイルム/韓国)
|
|
|
|
京都新聞 展評
2015
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|