肥後 亮祐 個展
バードカービング

HIGO Ryosuke solo exhibition
Bird carving

2020年7月14日(火)から19日(日) 
12:00から18:00

KUNST ARZT では、肥後亮祐の初個展を開催します。
肥後亮祐は、慣例や常識を問い、
アートを通して考察するアーティストです。
これまでの仕事は、
<fictitious / propagation>、
<repetition / background / rhythm>、
<recording / sampling>、
<perception / arrangement / relation>
という4つのゆるやかな枠組みに分類されます。
<repetition / background / rhythm>に分類される
「oozing(2018)」は、インタビューの内容を切り捨て、
回答者が、“ええと、あの、まぁ”と発話した場面のみを抽出し、
その際の仕草や表情を3つのカットに分けた映像作品であり、
「写真新世紀展2018」の受賞作品でもあります。
<fictitious / propagation>に分類される本展は、
前作「Sandy Island(2020)」の考察をさらに進展させます。
ご注目ください。
(KUNST ARZT 岡本光博)


展覧会について
展覧会タイトル「バードカービング(bird carving)」は
狩猟で使用される囮の名称、
またはその囮をつくる事を意味します。
警戒心の強い水鳥は仲間の近くに集まる習性があり、
狩猟ではその習性を利用します。
水鳥は池に浮かべられた木製の囮を
仲間と誤認し近づいていきます。
水鳥にとって自然で自由な振る舞いも狩猟者から
見ると事前に想定された行動の一つでしかありません。
水鳥が見ている仲間は、
水鳥の目の前にしか存在しないのです。
今回は実在しない単語「esquivalience」について
アプローチします。
「esquivalience」は「新オックスフォード米語辞典
(The New Oxford American Dictionary)」に
収録されている単語の一つです。

press release




個展 「バードカービング」(2020)展示風景




京都新聞 2020年7月18日 平田剛志さん「肥後亮祐」展評




Sandy Island

2020
ミクストメディア

Sandy Island はニューカレドニア島北端から
西北西約 400km に存在していたとされる島である。
現実には存在していなかった Sandy Island は
地図上に迂回ルートを発生させ、
現実の人々は実体のない場所を迂回し続けた。
<fictitious / propagation>


アーティスト・ステイトメント

私はすでについた足跡を自分が踏もうとした時、
他者との間に奇妙な繋がりを感じて
踏む事を回避してしまいます。
その位置に誘導されたような感覚が
どこか捏ち上げられたように
思えてならないからです。
私は人間の無自覚な振る舞いを発掘・収集し、
写真的着想から制作を試みています。
「会話の最中に繰り返し現れる、
無意味に思える発話」や
「Google Map上に誤記載された幻島」など流通する
情報の盲点を遺物と捉え、
新たな形での継承を試みています。





oozing

2018
映像 3'46''
言葉と言葉の間に無自覚に挟んでしまう” ええと、あの、まぁ” などに
代表される、「フィラー」と呼ばれる言葉がある。
通常、会話の中では意味を持たない言葉に着目し観察した。
<repetition / background / rhythm>



経歴

1995 北海道生まれ
2019 京都精華大学 芸術学部 メディア造形学科
版画コース 卒業
2020 京都市立芸術大学大学院 美術研究科
博士前期課程 絵画専攻 構想設計 在籍


グループ展
2018 「写真新世紀展2018」東京都写真美術館 (東京)
2018 「あけくちに長靴」京都精華大学T101 (京都)
2019 「京都精華大学展 卒業・修了発表展2019」
京都精華大学 (京都)
2019 「KG+ 2019 Special Exhibition
写真新世紀[第41回公募]受賞選抜 展」GALLERY Ann (京都)
2019 「A-Lab Artist Gate 2019」
あまらぶアートラボ A-Lab. (兵庫)
2020 「2019年度京都市立芸術大学作品展」
京都市立芸術大学 (京都)















collection of
HIGO Ryousuke's works.