藤村 明日香 個展
FUJIMURA Asuka solo exhibition

あざなえる縄のごとく、
intertwined like twisted cords

2024年11月26日(火)から12月1日(日)
12:00から18:00


KUNST ARZTでは、初となる
藤村明日香の個展を開催します。
藤村明日香は、淡く優しい色彩の画面に、
線が実体化したような刺繍を施した
絵画を生み出すアーティストです。
アクリル絵の具で描かれた部分と
縫い付けられた色糸が対比やリズムを生み、
独特の抽象世界が立ち現れます。
本展は、メインルームに大小様々なキャンバスを
不規則に並べ、サブルームには、同じサイズの
複数のキャンバスを糸で繋いで
ひとつにした作品からの構想です。
(KUNST ARZT 岡本光博)



展覧会コンセプト

「禍福はあざなえる縄の如し」という言葉がある。
この世の幸不幸はより合わせた
1本の縄の表裏のように交互に来るものであり、
人の知恵で計り知ることはできないという意味だ。
良いこともあれば悪いこともある。
止まない雨はないし、毎年大吉もありえない。

小さい頃 旅行が大好きで、
その反面たまらなく苦手だった。
楽しみにすればするほど、
終わった後が辛くなると知ったからだ。
旅行に着ていく服を選びながら
泣いていた記憶がある。
あの頃の私にとって日常と非日常は
明確に違って、幸と不幸は決して混在しなかった。
だけど今はもう旅先での不幸にも落胆しないし、
なんでもない日常の幸をまるで
旅の思い出かのように噛み締めることもできる。
静かな旅、にぎやかな日常、悲しいけど嬉しい、
楽しいけど苦しい、孤独はお守りで、愛は時に執着で、
どうしようもない私とかけがえのない私は共存している。

本展ではそんな “あざなえる縄のごとき日々” を
テーマに制作した作品群を展示する。
人生なんて予測不能だし、自論は矛盾だらけだし、
感情は虹色だけど、それでいい。
そんな自分を嫌いでいても好きでいてもいい。
どっちかわからなくてもいい。
とびきり特別でしょうもない人生を
最期まで全力で生き抜けられたら。




PRESS RELEASE





モザイク
2024
727×500mm
アクリル絵の具,油絵の具,刺繍糸,毛糸



アーティスト・ステートメント

主にアクリル絵の具で着彩し、
刺繍を施した絵画作品を制作しています。
柔らかく広がりのある色彩と緊張感のある繊細な刺繍、
2つの異なる要素を掛け合わせることで
新たな絵画の可能性を模索しています。
いつも自身の死生観や
心象風景からインスピレーションを得て、
明確なコンセプトのもと抽象的なモチーフを描いています。




ボローニャ 赤い街
2024
アクリル絵の具,油絵の具,刺繍糸,毛糸




Casa Morandi(左)
2024
アクリル絵の具,刺繍糸,毛糸

宝探し(右)
2024
アクリル絵の具,刺繍糸,毛糸



経歴 
1999年 大阪府生まれ
2022年 京都精華大学芸術学部造形学科
テキスタイル専攻 卒業
2024年 京都精華大学芸術研究科
博士前期課程芸術専攻染織領域 修了

個展
2021年 「あしたのかおり」(恵文社ギャラリーアンフェール)
2022年 「凪の時間」(GALLERY Ann)
2023年 「とむらい、ほうむる」(ギャラリーマロニエ)
2024年 「おもかげ」(ギャラリー恵風)

グループ展
2021年 「昨夜の香り」(松栄堂薫習館)
2022年 「縫いアート展2022」(ギャラリーマロニエ)
2023年 「縫いアート展2023」(ギャラリーマロニエ)
2024年 「昧」(同時代ギャラリー)
2024年 「A-LAB Artist Gate'24」(A-LAB)  


「A-LAB Artist Gate'24」展示風景
photo by Tetsuro KOBAYASHI