岡本光博 個展
OKAMOTO Mitsuhiro solo exhibition

日本神
Ziben Shen


2024年9月17日(火)から22日(日) 
12:00から18:00



KUNST ARZT では、9年振り、2度目となる
岡本光博の個展を開催します。
本展は、日本統治時代の台湾において、
崇め奉ることを強制された
神道に関するプロジェクト作品と、
現在も“民間信仰”として
自発的に崇め奉られている
“日本人やモノ”を取材して作品化した
連作から構成します。
プロジェクトや撮影は19年前ですが、
この"神に対する受動と能動のカタチ"は、
現在の宗教、国家の在り方についても
考察することができるように思えます。
(KUNSTARZT 岡本光博)

*すべて台湾のみでの発表作品。
一部プロジェクトは台湾高雄市の管理で屋外に設置。


press release

Artist home page




NS#284 日式石燈籠再建
(橋頭神社境内跡地、台湾)
2005
2005年11月4日に日本統治時代に
石燈籠のあった場所に復元を完了。
7つの石燈籠部分の内、3つは実際に当時使われていた
遺石を使用、他は新たに制作した。
日本統治時代の神社を写した2枚の写真と
当時を知る人々へのインタビューを元に、
神社跡地を確定し、散在していた神社遺物、
新たに制作した欠損部分と組み合わせ、
石燈籠等、神社の一部を復元した。
「靖国神社問題と同じだ!」という戦後台湾に
渡ってきた外省人たち、
「日本との交流史、土地の歴史を伝える為に賛成」
という日本の教育を受けた老人達を両極に、
マスコミ、政府をも巻き込んでの論争となった。

*当プロジェクトを映像化した新作を展示します。



NS#281
日本神6 乃木将軍
2005
写真、中国式額




NS#279
日本神4 日本軍軍艦
2005
写真、中国式額

当連作は、日本人を神として祀る台湾の廟を訪ね、
そのご本尊を撮影した写真から構成するものである。
母が日本人である鄭成功の部下であった吉原将軍、
日本統治下における田舎の一巡査であった義愛公、
米軍に撃墜されたパイロットの飛虎将軍など、
神格化された日本人の職業や時代背景はまちまちである。
複雑に絡み合ってきた日本と台湾の交流の歴史を感じさせる。
(週刊金曜日2006年10月20日号より 連載「珈琲破壊」039)




NS#273
橋仔頭神社節慶歌
2005
CD
日本統治時代の橋仔頭(現、橋頭)において、
「お祭りの歌」として当時の日本人、台湾人に
親しまれた日本語の歌がある。橋頭にて、
「日本統治時代」を知る老人と会い、
その内の何人かはこの歌を口ずさんで下さった。
その中で、林添財さんの歌は元音楽科の教師
という音楽的下地の上に彼自身の郷愁を込めた想いが
しっかりと伝わってくるものであった。
橋頭の歴史の1ページいや、
日本台湾交流史の1ページとして、
この林添財さんの歌声が長く後世に伝わることを願って。



京都新聞 2024年9月21日
沢田眉香子さん「岡本光博」展評