彌永 ゆり子 個展
IYANAGA Yuriko solo exhibition

existence.img

2024年6月15日(土)から23日(日)
12:00から18:00 月曜日休み

KUNST ARZTでは3年ぶり4度目となる
彌永ゆり子の個展を開催します。
彌永ゆり子は、パソコンでの描画過程を映すモニターと
その「フレーム」的役割のオブジェとの構成で
独自の視覚世界を展開するアーティストです。
“デジタルに感じている魅力“を引き出すために
厳選されたプラスチックシートやネット、チープなオブジェが、
動画を再生するモニターや基盤を取り巻き、
またそこへの電源供給配線も構成要素となっています。
近作は、大胆に空間を使うイ
ンスタレーションへと発展しています。
(KUNST ARZT 岡本光博)



展覧会コンセプト

自分の内にあるイメージをものを通して拡張させていく、
あるいはものから受けたイメージを自分の中で絵として解釈し、
かたちづくる。最近はそのように制作している。
パソコン上でファイルの種類を識別するためにつけられる、
「ドット(.)」から始まる文字列を拡張子と呼ぶが、
その「拡張」という言葉にかけて、相互に影響しあう関係性
(存在⇔イメージ)をこのような展示タイトルに集約させた。

私が扱うものは、画像データやモニター、基板、大量生産品など、
いずれもそれそのものは唯一性がなく、世の中に複数存在する、
あるいは実質的には複製可能であるものだ。
しかし、機能性を重視して量産されているような製品は、
改めて見つめてみると、モノとしてノイズが少なく、発色も良く、
あるいは無色で、私にとっては魅力的に映った。
空間をキャンバスと見立てた時に絵の具として
扱うにはちょうど良い素材かもしれない。

それぞれは、消費され続け価値をスルーされてきたような
唯一性がないものだが、それを自分の手で一つ一つを
組み合わせたときに、唯一のものや唯一の空間になっていく。
最近は、そういったことが面白いと思って制作している。



PRESS RELEASE



IYANAGA Yuriko is drawing with a low-resolution
drawing software since she was a child.
She use LED monitors on a circuit board
which show her drawing process and making corrage
consists of cheap materials.
She was born in Kanagawa prefecture in 1991
and lives and works in Kyoto.


https://dai.ly/k613Dr761hxsRKAV1xE




以上、個展 「existence.img」(2024)より




mandarin (lf#7)

2020
映像(10 分 57 秒)
Raspberry Pi, 1.3inchLCD モニタ、フォトフレーム




rope(skipping)

2021
映像(13 分 30 秒・ループ)
Raspberry Pi,1.8inchLCD モニタ、スマホスタンド




someone' s lunch (boiled eggs)

2021
映像(5 分 19 秒・ループ)
Raspberry Pi, 4inchLCD モニタ、バッテリー、合皮、金具



rope and yarn

2021
映像(左:6 分 45 秒 / 右:5 分 30 秒・ループ)
Raspberry Pi,1.44inchLCD モニタ、1.54インチ
LCD モニタ、PVC シート、ポリウレタン


以上、個展「IMG://shape/weightless/」(2021)



アーティスト・ステートメント

私は小さい頃からパソコンで絵を描いて遊んでいて、
現在でもそれを続けている。
それは自分にとっては紛れもなく「絵を描く」という行為だが、
出来上がったものは画像データという形式になっていく。
絵画として「パソコンで描いた絵」を捉え直した時、
これがひとつの絵画、あるいは美術作品として
認識されるためには、ただ印刷したり、
静止画で見せるだけでは
何か表現として不足している気がした。

そこで私は、描画過程を見せることで
絵画に時間性を持たせると同時に、
パソコンで描かれた絵では見えにくい、
描画の痕跡のようなものを補えるのではないかと考えた。
また、質量のある絵画にはない”質感がない”ということ、
あるいはピクセルという単位がデジタル特有の
質感になっていくのではないか。

モニターはピクセル感を重視したり、
映像作品との差別化を考えるにつれて
小さいものを扱うようになっていった。
それにより電子基板やモニター自体が
持つ物質感が表出しはじめた。
現在は電子基盤や小型モニター、ケーブルなど、
そのもの自体の物質感にも意識を向けて、
他の素材と組み合わせた表現を試みている。




lucid figure

2017
映像(Raspberry piによる),額(キャンバスに油彩)
910×1060×140mm


以上、個展「イメージズオアペインティングス」2017より





京都新聞 2017年10月28日 
小吹隆文さん「彌永ゆり子」展評



経歴

1991年 神奈川県生まれ
2018年 京都市立芸術大学 修士課程
美術研究科 油画専攻 修了

個展
2016年 Entity-Painting KUNST ARZT
2017年 イメージズオアペインティングス KUNST ARZT
2018年 "where are you?where am i,"
YEBISU ART LABO (名古屋)
2018年 'digital paintings' ギャラリー揺
2021年 IMG://shape/weightless/ KUNST ARZT
2022年 flotsam 堀川新文化ビルヂング (京都)
2022年  (inter)ference ?さんずい (京都)


グループ展ほか
2017年 ウォーホル美術 KUNST ARZT
2018年 思考する視線 2018 MEISEI
2019年 京都府新鋭選抜展 京都文化博物館
2022年 「artbit -Contemporary Art & Indie Game Culture- 」
アンテルーム京都
2023年 「Substance,Screen」FINCH ARTS(京都)
2023年「SICF24」スパイラル(東京) *山城大督賞
2023年「本物の人工物」YOD TOKYO(東京)
2023年「Speedy Gallery Holiday Exhibition」
Speedy Gallery(ロサンゼルス)
2024年「第一回 BUG ART AWARD ファイナリスト展」B
UG(東京)
2024年「逃げ水をすくう」The Terminal KYOTO(京都)


受賞歴
2019年 京都府新鋭選抜展― 読売新聞社賞受賞





以上、個展「Entity - Painting」2016より









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