井上 結理 個展
INOUE Yuri Solo Exhibition

Ph

2019年5月7日(火)から12日(日)
12:00から18:00

KUNST ARZT では、二年毎、三度目となる、
井上結理の個展を開催します。
井上結理は、日常生活の中から一場面を抽出し、
生きていることを考察するアーティストです。
2015年の個展では“またたき”に着目し、
2017年の個展では人が持っている見えない
微生物に着目しました。
本展では「ph」という概念を通して、
自身の色についての考察です。
ご注目頂ければ幸いです。
(KUNST ARZT 岡本光博)





青/“Blue”

2018
素材 海水(舞鶴市)
たき染、布、化学染料



展覧会コンセプト

日常の何気ない出来事に何の不思議も感じず、日々生活しています。
その中で、物や事に注目して制作することで
私は、何者なのか
生きている痕跡をみつけだしたいと考えます。

あなたが、普段、鏡や写真を通してみる自分自身は、
見慣れた自分の色です。
しかし、phという概念を通して見た自分自身は
一体、何色なのだろうか。



個展「μmの生命」2016より







またたく 

2015
素材 アクリル板 リノシート 
プロジェクター 映像
撮影 井上結理
編集 唐津正樹



以上、個展「またたく」2015より






ヌケガラ cast off skin
2010

私は、一日の終わりに自分が脱いだ服を
写真によって記録し続けており、
この作品「ヌケガラ」はそのようにして
蓄積された写真によって構成されています。
作品は、全て写真で制作されており、
空間を全て利用し一点一点という見せ方ではなく
何点もあることでこのヌケガラという作品は成立します。
乱雑に脱ぎ捨てられた衣服は、
時にはまるで脱皮した生き物のヌケガラのように
見えることがあり、
またそれは自身が人である証を
見つけ出す重要な場でもあるように思います。
服を脱ぐという行為は本来極めて
個人的かつ日常的なものです。
しかしたとえこのような些細な
日常のルーチンの中からでも
人間は自分が生きている証を
見つけ続けるべきです。
服を脱ぐという行為は、床で行われることが多く
床に設置する事でより作品が
身近に感じとれる展示です。





アーティスト ステートメント

人は普段、物を無意識に使って生活している。
人が特に意識せずに物を使うことができるのは
物に対して知覚的な記憶(経験)を
蓄積しているからだと考えられる。
また人は身体の行動においても
無意識に行っていることが多くある。
朝起きてから家を出て帰って眠るまで、
または眠る事も含めて?人は全ての行動を
自らの意識でコントロールしている訳ではない。
記憶するという人に備わった機能を巧みに使って、
日々の生活に登場する物や行動を
記号化して私たちは生活している。
おそらく、全てを考えて行動するという
極度の負担を回避して過ごせるように。

写真や絵画あるいは空間的に
改めて表現として切り取られ提示されたとき
物や行動は記号化から解除される。

「そこに人は何を思うのか。」
これが私の想いであり、また作品全
てのコンセプトとなっている。


経歴
1985 京都に生まれる
2007 京都精華大学芸術学部造形学科洋画分野 卒業
2009 京都精華大学大学院
芸術研究科博士前期課程 卒業

個展
2016 μmの生命 / Microbes make a "macro" world.
(KUNST ARZT/京都)
2015 またたく (KUNST ARZT)
2013 カーテン(画箋堂 3F/京都)
2010 ヌケガラ #2(立体ギャラリー射手座/京都)
2009 MOTHER(石田大成社ホールoIBC/京都)
    はだいろ( 7-23ギャラリー/京都)
抱擁( 7-23ギャラリー/京都)
2007 壁( 7-23ギャラリー/京都)
ブラウン管( 7-23ギャラリー/京都)
2006 ヌケガラ #1( 7-23ギャラリー/京都)

グループ展
2018 ART RAINBOW PROJECT 2018
(ロストック市美術館/ドイツ)
2015 Face Forward (KUNST ARZT)
2014 カレント展 (京都市美術館別館/京都)
2014 第二回 大竹翼展(ジャルフォ/京都)(ギャラリー素)
2013 第一回 大竹翼展(ジャルフォ/京都)企画賞受賞
2011 HOSOMI TO CONTEMPORARY 004 
-too contemporary art lab(細見美術館/京都)
2011 源平屋島現代美術展 
東北地震支援プロジェクト(香川)
2008 Changwon Asian Art Festival
(アジア芸術祭/韓国)
2008 M1展(ギャラリーフロール/京都)

自費出版 2008『対論』(柏原えつとむゼミナール)

Collection
ロストック市美術館 ドイツ

http://inoueyuri.com/




抱擁

2011  
ソファ 布(サテン)プリント 鼓動音(心拍数) 
リラクゼーション振動機


ソファには小さな鼓動音と共に動きだす
振動機が組み込まれており、
座った人に心臓の鼓動を模した
音と振動が伝わります。
これに腰かけて壁に展示された
サテンの生地に映し出される
女子性のふともも(膝枕)を眺めるという作品です。
この作品は、私の考える最高の安らぎを
具現化したものです。
ソファから一定のリズムで伝わる振動が
自分自身の心拍数と
微かに流れる振動が重なった時、
遥か昔に誰もが感じた、
母のお腹に居た時の感覚とも思われる
懐かしく不思議な安息に包まれます。