井上結理 個展 「μmの生命」

INOUE Yuri solo exhibition
Microbes make a "macro" world.

ミクロの生物--微生物--がマクロな世界作り上げる


2016年10月11日(火)から16日(日)
12:00から19:00 (最終日17:00まで)

KUNSTARZT では、井上結理の2度目の個展を開催します。
井上結理は、日常生活の中から、ある場面をアートとして抽出し、
我々に気付きを与えてくれるアーティストです。
本展では、細菌研究の専門家たちの協力を得て、
人が持っている見えない微生物を通して、
我々の「生」の痕跡やその微生物そのものの美しさを引き出す
彫刻作品を展示します。ご注目ください。 (KUNST ARZT 岡本光博)
(細菌そのものの展示もありますが、
ガラスケースなどを利用し、感染の恐れはありません)



「μmの生命」展コンセプト
 
-Microbes make a “macro” World-
微生物が作りだす壮大な世界

自分自身に、付着した眼に見えない微生物を、
美しく、そして「奇妙」に表現した作品である。

人が直接的に触れたところに、微生物は必ず存在し、
そこから小さな命があり繁殖しだす。
人の眼では確認することは出来ない。
しかし、科学の眼で「微生物がいた」ということの証明は、可能である。
そして、見えない命を浮き上がらせ、表現することで、
「生」を痕跡としてみることも可能なのではないだろうか。

「人が居たであろう」というところを見つけ出すこと

それが自分にとって制作をする糧になり今の表現に広がり続ける。










「またたく」

記憶された時間は、生きるというそのものを表す。
瞬時に消え、そして新たな記録が目の前から生まれはじめる。



またたく 

2015
素材 アクリル板 リノシート プロジェクター 映像
撮影 井上結理
編集 唐津正樹




またたく - drawing -

2015
素材 HD-2木パネル ケント紙 鉛筆



以上、KUNST ARZT での2015年の個展「またたく」より






ヌケガラ cast off skin
2010

私は、一日の終わりに自分が脱いだ服を写真によって記録し続けており、
この作品「ヌケガラ」はそのようにして
蓄積された写真によって構成されています。
作品は、全て写真で制作されており、
空間を全て利用し一点一点という見せ方ではなく
何点もあることでこのヌケガラという作品は成立します。
乱雑に脱ぎ捨てられた衣服は、
時にはまるで脱皮した生き物のヌケガラのように見えることがあり、
またそれは自身が人である証を
見つけ出す重要な場でもあるように思います。
服を脱ぐという行為は本来極めて個人的かつ日常的なものです。
しかしたとえこのような些細な日常のルーチンの中からでも
人間は自分が生きている証を見つけ続けるべきです。
服を脱ぐという行為は、床で行われることが多く
床に設置する事でより作品が身近に感じとれる展示です。




アーティスト ステートメント

人は普段、物を無意識に使って生活している。
人が特に意識せずに物を使うことができるのは
物に対して知覚的な記憶(経験)を蓄積しているからだと考えられる。
また人は身体の行動においても無意識に行っていることが多くある。
朝起きてから家を出て帰って眠るまで、
または眠る事も含めて?人は全ての行動を
自らの意識でコントロールしている訳ではない。
記憶するという人に備わった機能を巧みに使って、
日々の生活に登場する物や行動を記号化して私たちは生活している。
おそらく、全てを考えて行動するという極度の負担を回避して過ごせるように。

写真や絵画あるいは空間的に
改めて表現として切り取られ提示されたとき
物や行動は記号化から解除される。

「そこに人は何を思うのか。」
これが私の想いであり、また作品全てのコンセプトとなっている。



カーテン cartain
2013

カーテンには、二つの役割があると考え表現に至りました。
役割とは、一つ目は、光を閉ざす事?二つ目は、私生活を仕切る事
この二点が一般的に考えられるのではないかと思います。
この作品では、二つ目にあげている私生活を仕切るというところに注目しています。
人は他者に見せない表情や行動を必ず持ち備えていると考えます。
その中で、人をカーテン越しに覗き込み本来の心象に映す出す試みをしています。
その映し出す中で、一枚のみ行き交う街の風景を撮影しています。
それは、人としてこの世界を生きることもカーテン越しに撮影する事で、
何気ない見えない仕切りが押し迫り来る心境を表しました。



経歴
1985 京都に生まれる
2007 京都精華大学芸術学部造形学科洋画分野 卒業
2009 京都精華大学大学院芸術研究科博士前期課程 卒業
個展
2013 カーテン(画箋堂 3F/京都)
2010 ヌケガラ #2(立体ギャラリー射手座/京都)
2009 MOTHER(石田大成社ホールoIBC/京都)
    はだいろ( 7-23ギャラリー/京都)
抱擁( 7-23ギャラリー/京都)
2007 壁( 7-23ギャラリー/京都)
ブラウン管( 7-23ギャラリー/京都)
2006 ヌケガラ #1( 7-23ギャラリー/京都)
グループ展
2014 カレント展 (京都市美術館別館/京都)
2014 第二回 大竹翼展(ジャルフォ/京都)(ギャラリー素/京都)
2013 第一回 大竹翼展(ジャルフォ/京都)企画賞受賞
2011 HOSOMI TO CONTEMPORARY 004 
-too contemporary art lab(細見美術館/京都)
2011 源平屋島現代美術展 東北地震支援プロジェクト(香川)
2008 Changwon Asian Art Festival(アジア芸術祭/韓国)
2008 M1展(ギャラリーフロール/京都)

自費出版 2008『対論』(柏原えつとむゼミナール)

http://inoueyuri.com/



抱擁

2011  
ソファ 布(サテン)プリント 鼓動音(心拍数) リラクゼーション振動機


ソファには小さな鼓動音と共に動きだす振動機が組み込まれており、
座った人に心臓の鼓動を模した音と振動が伝わります。
これに腰かけて壁に展示されたサテンの生地に映し出される
女子性のふともも(膝枕)を眺めるという作品です。
この作品は、私の考える最高の安らぎを具現化したものです。
ソファから一定のリズムで伝わる振動が自分自身の心拍数と
微かに流れる振動が重なった時、遥か昔に誰もが感じた、
母のお腹に居た時の感覚とも思われる懐かしく不思議な安息に包まれます。