水口菜津子 個展 「ガリ版面白キ」

MIZUGUCHI Natsuko solo exhibition
Faschinating accounts of a trip about a mimeograph

2015年4月21日(火)から26日(日)
12:00から19:00 (最終日17:00まで)






KUNST ARZT では、昨年に引き続き、水口菜津子の個展を開催します。
水口菜津子は、ガリ版文化の継承者かつ、
リレーショナル・アート(関係性の芸術)の実践者です。
水口菜津子は、木版画家が木版作品を生み出すような感覚で、
ガリ版に関わっているわけではありません。
ガリ版が内包する表現としての魅力、魅了された人々との関わり、
近代化する日本の時代背景を映し出す側面、
絶滅危惧種としての現状といった諸要素が、
彼女に興味を失わさせずに活動を続けさせ、
すでに10年以上が経過しました。
本展では、改めて、その多面的な魅力に向き合う試みです。
ご注目頂ければ幸いです。(KUNSTARZT 岡本光博)






■コンセプトと経緯 !  

2005年にガリ版?
という名前も知らない明治時代に発明された印刷器に出会い、
今まで培ってきたアートやデザインについての
感覚が価値観ががらりと変化する機会を得ました。

全くゼロの状態で、美術の専門家でなく、
行き当たりばったり出会うとても普通の人々のおぼろげな記憶 の断片から、
すこしずつ学ぶ感覚。知らない間に「便利」に順応していた自身の感覚。
主な制作物のガリ版 新聞は長らく下手で読みづらい新聞にも関わらず、
面白い出来事が連続する不思議な感覚。
近代化してく日 本が現在まで歩んできた時代背景について
思い巡らす感覚。時代の表舞台から姿を消したものの、
今なお、 伝承活動を続ける大変熱い想いを持った
ごくわずかな人々との出会いから感じる感覚、などなど、、。
それ らの想定外に現れる感覚の気づきが新鮮で面白く、日々が過ぎて行きました。

2014年の「ガリバントラベラー」では、ガリ版の可能性について、
先人の取り組んだことのない方向性 で表現を模索するところから始まりました。
ある意味ガリ版は過去の歴史の中に必然的に存在し、
その時代 の流れの中で先人たちが試行錯誤して研究しつくしてきたのではないか、
今を生きる私のリアリティーのあ るガリ版とは何かという疑問があったからです。
しかし、自身がガリ版と関わる中で面白いとその都度、思っ たことこそ、
シンプルにリアリティーのある表現につながるのではとふと思えてきたのです。
そこで今回のテーマが見えてきました。



■今回の展示のステイトメント !

確かにガリ版らしさは存在します。
ただ今を生きる私がその表現を模索する以外の方法で
生み出すことがで きるのかは未知です。
そこにはそこに生きていた人たちのつくる時代の空気があったからです。
明治時代に 発明されたガリ版には、明治、大正、昭和を生きる
今の日本の基盤を作り上げたような濃厚な人々の記憶と ともに
時代の流れの中にずどんとやはりあるのです。
しかし、私にとっては、私の世界にある日、あらわれた存在でもあるし、
そして面白いという感覚こそ、私 にとってのリアリティーであるといえます。
とにかく私がガリ版と出会った日は驚くほど面白い日であった と覚えています。
その原点に立ち戻り、現在までつなぎ、表現を行いたいと考えています。





舞う

2015
コロジオン、ガリ版刷り;
パネル、紙、インク、アクリルガッシュ




ダリア

2015
ガリ版刷り;紙、インク




包み紙

2015
ガリ版刷り;紙、インク、蝋原紙




35mlのガラス瓶

2015
ガリ版刷り;紙、インク、蝋原紙



以下、
個展「ガリバントラベラー」より
2014年4月29日(祝)から5月4日(日)

Tea time for ours

corn

Tea time for ours

under a tree

ギャラリー近くの平安神宮で号外を配るアーティスト本人。



食べる2羽  

2014
インク・ハーネミューレ 
ガリ版印刷 






















干し柿tree 

2005
紙・印画紙・アルミ・糸・農家の人が栽培してきた柿の木 

ピンホールの干柿型カメラを5月の緑の葉の美しい柿の木を1本、
農家の方にお借りして展示した作品。
先代より受け継ぎ何十年もご家族で大切に栽培されてきて、
毎年商品となる美味しい柿を収穫していたが、
理不尽なことに2013年春に開通予定の道路建設地のために
立ち退きをよぎなくされていた。
実感の湧かぬまま、しかし失われていく風景を柿が眺め、
干し柿のように甘みを閉じ込めてしまうように、
干し柿型のアナログカメラを作ることになった。
自身の最初の参加型作品である。
展示後、これは私自身の作品ではなく、農家の方の作品のようだと感じる経験をする。
これがきっかけで、継続する作品をつくらなくてはという想いにかられ、
現在まで続くみどりの停留所新聞を作り続けることとなった。
また柿畑の継続的な観察の拡大版が自然と大枝・大原野地域での
自発的なアートプロジェクトを行うことと個人的な動機としてつながっている。





アーティスト・ステートメント


私の表現はこの感じている世界への共感と
親しみの表れであると考えています。
苦手な競争をせずにこの競争社会を生きてゆく方法として
オリジナリティの追求を主軸に日々生きています。
そして、常に変化する関係性を独自の視点で眺め、
それぞれの作品の表現方法を模索しながら導いていきます。
継続性のあるもの、瞬間的なもの、参加できるもの、
メッセージのあるもの、特に意味のないものなど現れかたは多様です。
贈られたり、自ら手に入れたり、足を運んで眺めたり、
と作品の鑑賞方法は初めから異なるものもありますが、
鑑賞者にも自由な日常の行動の中で自ら選択することを望んでいます。
制作のそのほとんどの過程は見えないものですが、
まるで農家や園芸家のような気持ちで日々育てているような感覚です。
まだ私自身も知らない未知の価値の創造に
モチベーションの方向は定められています。
そして、目に見えて現れてきたとき、それらの静かな自由な言語のようなものを
感じとりながら進めていきたいと考えています。










藍×緑 -はたらくものとそなわっているもののものがたり-


2009
アニメーション(4分23秒)四六判(1点) 540.0×715.0(11点)

色は単独では存在できず、たえず関係性の中で存在する。
この世界においてもあらゆるものが
同じように関係性の中でしか存在しえないともいえる。
世界は多様に連動し動いている。
均整のとれた調和を保ち続けるのは困難なことで、
少しの変化があらゆるものと知らず知らず連動して
崩れることもあるのではないだろうか。
この物語はふたつの色をめぐる一瞬の物語である。
色は単独で存在しているのではなく、別の色と共にあることで、
その世界をつくりだす。藍色という緑の葉から人が色を生みだす過程から、
大きく人間から側の象徴としての藍色、
自然側からの象徴として緑色と設定し、物語を想定した。
どちらがかけても物語が成り立たないこと、
その色がもつ意志の動きが世界の仕組みをつくりだしていること、
そして、どちらの色も、他のあらゆる色のある世界の一部として在る。
私たちがいつも意識していない場所で、
何かが世界の調和を保つために働きかけをしているのではと感じることがある。
それらは、自然に触れるときに思いだされるような摂理のような
仕組みのようなものである。

※2007年?2009年まで色をテーマに考察し、
最終的にこのアニメーションをつくることになった。
実験的につくった「イロSUNキララ」は、ビデオを使って、
花びらや木の皮、果物の皮、草などを色がわかるように撮影したものを
数秒ずつ虹色の順番のようなナチュラルな順番に並べた映像である。
また、赤系のバラの花びらを数十枚拾って、自然なグラデーションに並べ、
その法則を観察したりした。




経歴 
1981年 京都生まれ
2000年 京都市立銅駝美術工芸高等学校 図案科卒
2009年 京都市立芸術大学 美術学部美術研究科 
ビジュアルデザイン専攻修了
2012年 Natsuko Art&Design Studio 設立

主な活動
2005年 大枝アートプロジェトに参加。
新聞づくりがきっかけでガリ版と出会う。
2008年 ガリ版伝承館、隣接する岡本宿公民館にて
ガリ版合宿やみどりの停留所写真展の展示を行う。
梅染塾展(川井家)染めによる袋帯出品
K2展vol.2に参加(?2014年vol.7まで継続して参加)(京都市美術館 別館)
2009年 京都市立芸術大学作品展 (大学院市長賞)
2011年「大枝・大原野-みどりの停留所をつなぐvol.1-」(かもがわ出版)
(アートディレクション)富永屋シャッター再生のためのデザイン、制作、講演会
2012年「Hello,Kappan」活版印刷による便箋のデザインと読み物の発行
2014年 《個展》「ガリバントラベラー」(Kunst Arzt)
2014年 《ガリ版ワークショップ》
       「ガリ版でMyファッションプレート」(神戸ファッション美術館)







みどりの停留所新聞 No.28(習作)


2005-2014
インク・紙 ガリ版印刷

2005年、大枝地域で行われた展覧会の出展者の
感想を地元の人に伝えるため、
手書きでそれぞれの人がかいたものを集めて
コピーで刷って作った大枝新聞が始まり。
その後、聞いたこともなかったガリ版の言葉をたよりにガリ版探しをし、
サザエさんの台本を作っている印刷所を偶然歩いているとみつけたことから、
様々に縁がつながり、ガリ版で作る新聞になった。
手順もよくわからぬまま続けていると、
様々な世代の違う人々の思い出を聞いたり、
ガリ版を伝承している人々から歴史や背景、現状を聞いたり、
また国籍や世代の違った人々が参加してくれたりなど
ガリ版の新聞づくりを通じて様々な対話や交流が生まれた。
そこで、たちどまりたい風景や事柄、地域、国籍、時代などを
ゆるやかにつなぐガリ版でつくったメディアとして不定期に発行している。
一般の方より投稿文を募集したり、自身の詩の連載や興味深い雑談を
編集し、載せたり、内容は様々である。











35mlのガラス瓶
2015
ガリ版刷り;紙、インク、蝋原紙
¥18,000 (+額代¥5,000)

包み紙
2015
ガリ版刷り;紙、インク、蝋原紙
¥18,000 (+額代¥5,000)

明治時代の使用済み切手
2015
ガリ版刷り;紙、インク
¥8,000 (+額代¥5,000)
ed.3

チェコスロバキアの使用済み切手
2015
ガリ版刷り;紙、インク
¥8,000 (+額代¥5,000)
ed.3
準急行券30年5月16日
2015
ガリ版刷り;紙、インク
¥8,000 (+額代¥5,000)
ed.3

068-04
水口 菜津子
heavenly( No.1)
300mm×300mm(額ありのサイズ)
220mm×230mm(なし)
410×525 mm
紙、インク
2014
¥18,000 (額別)
ed.5
* ed.1はSOLDです。

068-05
水口 菜津子
Tea time for ours
220×110 mm
陶器
2014
¥25,000

068-06
水口 菜津子
Tea time for ours
φ 345 mm
紙、インク
2014
¥5,000

068-07
水口 菜津子
Tea time for ours
φ 345 mm
紙、インク
2014
¥5,000